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痔ろうで入院し、手術するハメになりました。
退院するまで、ほぼ三週間はかかるだろうとのことでした。
病院に来た時は、どうしょうもなく痛かったぼくのお尻も、
中に溜まった膿を出してしまってからは、
それこそ痛くも痒くもない状態が続いていました。
手術となったとき、何が一番の苦痛だったかと言えば、
それは患部の場所が場所だけに、
若い看護師たちに下半身を丸出しにしたことでした。
やっぱり恥ずかしいの一言。
ぼくは、チラッと看護師さんたちの顔を見ました。
もちろん、彼女たちもプロです。
皆さん、真剣そのものの顔。ぼくはと言えば、
あの痛みとは、金輪際おつき合いしたくありませんから、
やっぱり真剣そのものの顔。
でも、内心は、いやはや、早く終われとそればかり思っておりました。
うつ伏せになり、突き出したぼくのお尻に麻酔の注射針が当たりました。
ウっと唸る、ぼく。痛くないからね、と、お医者さん。
ぼくにとっては人生最初の手術です。
刃物が身体に触れるというだけで、
なぜか身体がブルブルと震えました。
麻酔が終わり、いよいよ執刀。
“痛かったら、言ってね”とお医者さん。
メスがお尻の皮膚に触れます。“イテッ”と、思わず漏れるぼくの声。
“痛いか?”とお医者さんがぼくに聴きます。
“イヤ、お尻に当たったのが分かりました”と答えたぼくに、
“そりゃ、分かるよ”と、お医者さんの返事。
傍らの看護師さんが、クスッと笑っておりました。
お尻に恐怖を持ちながら、頭上に看護師のクスッ。
それに加えて、お尻を突き出したこの格好。
わが人生最大の苦痛は、まさに、今この時でありました。
でも、病気は放っておくわけにいきません。
人間の尊厳は一先ずお休みでもしないと、
たぶん精神衛生上にもよろしくありません。
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