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最初は、ともかくも痛かった痔ろう。
中に膿が溜まってはち切れんばかりになっていたのが、
痛かった原因のようでした。
現に、痛い尻を自分の手で撫で撫で病院に駆け込み、
金属のとがった先っぽでカリカリと患部を削るようにして穴を開け、
中の膿を出してしまってからは、もう痛くもなんともありませんでした。
これでまた明日から仕事が出来る、なんて思っていたらとんでもない。
すぐに入院・手術となってしまいました。
お尻の患部とその周辺の肉を、手術で取り除くのです。
ぼくのお尻からは、ぼくの手を軽く握った程度の大きさの肉が、
取り除かれました。
当然、肛門のすぐ横にスッポリと穴が空いてしまいました。
(ずいぶん前の事なので)
これでは、仕事にもならず、お尻の穴が塞がるまで、
つまり再び肉が盛り上がってくるまで、ぼくは入院となったのでした。
しかし、手術は怖かったものの、
また若い看護師なんかがいて恥ずかしかったものの、
すでに痛くもなんともないのです。
入院生活でウンウンと唸っているならまだしも、
そんなのもなかったぼくとしては、もう退屈なだけの毎日でした。
そんなぼくの楽しみが、なんといっても食事でした。
それに、ぼくが入院したその病院、食事がけっこう旨かったのです。
これがぼくにとって、唯一の救いでした。
当然、まだ若かったぼくとしては、茶碗に一杯だけでは足りず、
看護師さんに頼んでゴハンを大盛りにしてもらいました。
もちろん、それには、お尻の肉が一日でも早く
盛り上がってくるようにと、ともかくモリモリと食べるに
越したことはないとの思いがあったのです。
たくさん食べなきゃね”と言って、
看護師さんが運んでくれたぼくの茶碗には、
いつもゴハンが大盛りのそのまた上にゴハンが乗っているという特製のものでした。
もっとも、オカズは他の人と同じ量で、同じ物でしかありませんでしたけど。
中国のことわざに、“医食同源”とあります。
医と食事は、その源を同じくするといったほどの意味でしょうか。
人間、なんといっても食べること。
これが、しっかりとある以上は、そう簡単に参るものではありません。
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